最近よく観ている、料理家の渡辺康啓さんの『せせチャンネル』で、
せせロンチーノ(ペペロンチーノ)の説明をしている時に仰っていたことです

「よく『何分測ればいいんですかー』って聞かれるんですけど、計ったことがないからわからないです。それは毎回パスタの、“このあとどうするか”にもよるんですよね。もうこのあとお皿の上に直接パスタを置いてソースをかけるのかとか、茹で上がったパスタをソースの中に入れてちょっとなじませるように煮るのかとか、そういうことでも茹で時間が変わってきますので、必ず“食べるときのことをイメージしてそこから逆算して”、パスタを実際食べてみて、このぐらいの硬さだから食べるときあとこのぐらい時間かかるからちょうど良くなるなとか、そのイメージが大事ですね。時間にとらわれないで、このあとどうするかということを考えてパスタを茹でます。」

この部分がとても好きで、
自分の実感としてもとてもよくわかるな、
自分も日常や制作の中でやってるな、と思いました

たとえば洗濯物を干すとき、
乾いて取り込む時にたたみやすいように、
たたんだものをしまう時に効率良くしまえるように、
しまってある服を着る時に取り出し揃えやすいように、
というところまで逆算して想像して、干します
たたみやすい干し方、干す並び、干す場所
そうすると、ひとつひとつの行為に、
何も気持ちが引っかからず、
スムースに進みます

ここで大事なのは
「それぞれのしまい場所をしっかり用意しておく」こと
そもそもは怠け者の自分なので「怠け者でも面倒くさくならない仕様」を考えて
収納スペースを作る、この最初のところが頭を使うところでしょうかね・・
着る時にスムースに運ぶ導線を逆算して想像すると自ずと決まります

創作作業もこういうようなことを延々とやるような気がします
とくに拙著絵本『あ あ』のときはこの「逆算して」ということばかりで
頭の中で物理や数学の式を延々と解いているような状態でした
おかげで食べても食べてもどんどん痩せていく日々でした

わたしは日々のすべてのことをこうやって過ごしています
他の人びとはどうなのかわからないですが、
渡辺さんもそうなのだなと知れて
うれしかった瞬間でした
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