淡い去り際
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うまくいかないことをいくつも覚えているから 誰もが使う安易な手段ではなく まだ誰もやっていない新しい方法を 小さくても ささやかでも やってみる さがしている 考え続けている
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ミントの鳥 毎日おふろでものすごく汗をかくのでさらに頻繁な洗濯と 植物に接しているので ベランダで日を浴びている時間が多い 日に当たるとアレルギーで腫れるのも気をつける
 
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せせチャンネルの教えに倣い パスタを茹でるお湯を海水くらいにして味見する瞬間 いつも海に居るかのような気持ちになる おふろに塩を入れて浸かって汗を流している今 パスタになったような気持ちになってる 海を埋め立てた人は何かの気持ちになったことないのかな 誰かの気持ちになったことないんだな それはひどくさみしくてかなしいことだな せっかく与えられた生(せい)がもったいないことだな
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遷り(朝焼け)
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ばななさんの小説でとても好きな『王国』の主人公 “雫石” 他人とは思えないその人の名のサボテン“雫石”に出会った時の静かな衝撃 10年くらい共に過ごし気づいた時には元の鉢から溢れ出そうな雫石を植え替えた

ここのところ植物と向き合いながら実感したことの一つに “器に見合った大きさに成長する”ということ 小さい器の中のままでは何をどうしても ある程度以上には葉を茎を伸ばさない それを知った

最初の鉢に刺さっていて あまりにも気持ちのよい達筆に ずっとそのままにしていた札も 捨てられない

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matryoshkaについて
お手紙の抜粋
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ずっと、何年も前から制作、準備し続けていた作品の、一部を公開し始めました。
本体を作ったのは2007年ですが、自分の中の「ある1人の人にしか見せたくない」という気持ちに気付いてから、
世にお披露目することができずにいました。そしてある連載に掲載した時には多くの人に見られた事にものすごく落ち込んで、
もうお披露目すまいと思いながらも、どうしたらその人にお届けすることはできるのかとも思い、葛藤をいだいていました。
そして一昨年に撮影し直し、去年に言葉を添え、そしてお披露目できる気持ちになり、この動画を作成し、公開しました
本体を作っていた時のことは今でも思い出せます。例えば目を描く、ちょっとした表情、ニュアンス、ディテール、
それを何回も何回も描き、消し、描き、の繰り返しで、寝る間も惜しんで作業をして1ヶ月以上、誰にも会わずに、
そのめくるめく作業の方がエキサイティングすぎて、生きることそのもののようだと気づき、過ごしていました。
そして「ああ、これはある音楽を聴いて何か伝えたかったけれどまるで言葉にならなかったあれがここにある」と、
次々訪れる絵の具の表情に、気づかされ、聴きながら、泣きながら、描いていました。
もう今は何に気付いていたのか思い出せませんが、とても眩しい瞬間の連続でした。
自分じゃない何かに動かされていいるようなその制作期間でした。
ありがとうも言葉にならない何もかも、届きますように。
 
去年に新しく添えた言葉たちは、どうやって出てきたのか自分にもわかりません。
どこかから降りてきた、ような 私ではない何かから書かせられた言葉たちです。
本体をつくっていた時に感じていた事とも違うもののように思います。
でもこの言葉たちのおかげで、世に放つ気持ちになれた気がします。
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