誰も彼もがくすぐったい
8月 2022 | ページ 2 / 6 | akanet.net
誰も彼もがくすぐったい
ふとベランダへ出たら階下から
疎にシャボン玉が舞い上がってきた
ぽろんぽろんと爪弾くアルペジオのように
その透き通った真珠は
いつか人知れずこぼれ落ちた涙が
のちに蒸発して天へ昇るさま そのものだ
ずっと割れないまま空高く浮かびゆくのを見届ける
あの透き通った目がどこまでもゆくための 浮力となる
『透明な目の野生動物』を描く作業は
それに仕えるということ
疎にシャボン玉が舞い上がってきた
ぽろんぽろんと爪弾くアルペジオのように
その透き通った真珠は
いつか人知れずこぼれ落ちた涙が
のちに蒸発して天へ昇るさま そのものだ
ずっと割れないまま空高く浮かびゆくのを見届ける
あの透き通った目がどこまでもゆくための 浮力となる
『透明な目の野生動物』を描く作業は
それに仕えるということ
三番花は咲ききった
と思っていたら、まだひとつ
強いシュートからの大きなつぼみが控えていた
と思っていたら、まだひとつ
強いシュートからの大きなつぼみが控えていた
さっき近所で、
横断歩道を渡ろうとしている盲目の女性がいて、
赤信号で車も走ってきていて危険だったので、
青信号になった時に近寄って話しかけたら
「触るな!」って叫ぶので声で誘導してなんとか渡りきって、
その先は道路工事でまた進めなくなって、
工事の人に託したけれど、
女性はまた叫んでいた
そのヒステリックな叫びと威嚇的な態度に、既視感があり、
後から反芻するとそれは数年前の父だった
何もかもが敵のような
アルコール依存/認知症となり、
家族達との関わり方もやや変わり、
あのような威嚇的な態度は減った今となっては、
どういう事が人をあのような状態へと追い込むのかがはっきりわかる
誰かを批判する気もないし、したくもないので、
簡単には言いようのないことだから、
書きようがないけれど
横断歩道を渡ろうとしている盲目の女性がいて、
赤信号で車も走ってきていて危険だったので、
青信号になった時に近寄って話しかけたら
「触るな!」って叫ぶので声で誘導してなんとか渡りきって、
その先は道路工事でまた進めなくなって、
工事の人に託したけれど、
女性はまた叫んでいた
そのヒステリックな叫びと威嚇的な態度に、既視感があり、
後から反芻するとそれは数年前の父だった
何もかもが敵のような
アルコール依存/認知症となり、
家族達との関わり方もやや変わり、
あのような威嚇的な態度は減った今となっては、
どういう事が人をあのような状態へと追い込むのかがはっきりわかる
誰かを批判する気もないし、したくもないので、
簡単には言いようのないことだから、
書きようがないけれど
昨日はパクチーの種とりをした
あまり食べないままでいたので
例年よりたくさんの種がとれた
もうひと鉢あった方は、ぱたっと枯れた
植物の敏感さ正直さを改めて思う
私が体調を崩すのと同時だ
もう種も肥料も買わなくていいサイクルに入って2年半
ベランダ栽培だけれど、本気で植物と対峙していると
生命の激しさを彼らは教えてくれる
何かすてき風でいて実は本質とは真反対ようなもの、
上澄みだけをさっと擦るような事だけがやり取りされる中、
知人の農家さんの日々の作物や気候や年月との対峙には心打たれる
https://www.instagram.com/tamura_seed_farm/
あまり食べないままでいたので
例年よりたくさんの種がとれた
もうひと鉢あった方は、ぱたっと枯れた
植物の敏感さ正直さを改めて思う
私が体調を崩すのと同時だ
もう種も肥料も買わなくていいサイクルに入って2年半
ベランダ栽培だけれど、本気で植物と対峙していると
生命の激しさを彼らは教えてくれる
何かすてき風でいて実は本質とは真反対ようなもの、
上澄みだけをさっと擦るような事だけがやり取りされる中、
知人の農家さんの日々の作物や気候や年月との対峙には心打たれる
https://www.instagram.com/tamura_seed_farm/
高くを走る風
夏の土用期間が過ぎたので、
植物たちの手入れをする
枯れたところ、
腐ったところ、
丁寧に取り除く
ふと何かが近づいてくる
アシナガバチのようだった
少し離れて気にせず作業する
と、
イソヒヨドリがいつもの透き通った笛のような声を
めずらしく激しく高らかに鳴り響かせながら
私のわきを横切り瞬息で遠くへ飛び切る
アシナガバチを捕らえたようだった
守られている 宇宙から
静かな感情が霧雨のように降り注ぐ
植物たちの手入れをする
枯れたところ、
腐ったところ、
丁寧に取り除く
ふと何かが近づいてくる
アシナガバチのようだった
少し離れて気にせず作業する
と、
イソヒヨドリがいつもの透き通った笛のような声を
めずらしく激しく高らかに鳴り響かせながら
私のわきを横切り瞬息で遠くへ飛び切る
アシナガバチを捕らえたようだった
守られている 宇宙から
静かな感情が霧雨のように降り注ぐ