静寂の中に静かに響く切実な声 そう感じた1枚目の写真から数時間のうちに2枚目になっていて、少しぞっとした ちょうど蝉がいた日だ ジーと騒がしい蝉はどこか切実さを帯びたカート・コバーンのように感じられ この水中に伸びる根のタフな貪欲さが少し恐ろく感じた どちらも生命の形なのに 瓶の中みっちりと張り巡らせた3枚目は食傷気味な気持ちになり、私はがらんとした空間が好きなのだ、と焦りはじめる 駐車場の満車のサインはおなかいっぱいを思い出してくるしくなる おなかも冷蔵庫も部屋もがらんどうがいい そこでハタと気づく 限られた器の中なのがくるしくふがいなくさせるのだ 地中にどこまでも伸びる根、空へどこまでも広がり枝を伸ばす木、空路の決まっていないどこまでも飛んでゆく鳥 ああよかった と息をつく
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