『あ あ』2017年11月1日発売 「こどものとも年中向き」2017年12月号(福音館書店)

『あ あ』表紙

大槻あかね大槻あかね
(おおつき あかね)

1973年、横浜生まれ。
1997年、東京 造形大学絵画科卒業。
雑誌「広告批評」の表紙を1年間(1997年)担当 。
現在、絵本、雑誌 、装丁、広告、Web、CDジャケットなど、
さまざまな場での創作活動を展開。
空間、立体、映像作品などを制作し、展覧会多数。
絵本の仕事に、『あ』『絵くんとこと ばくん』『けいとだま』
(「こどものとも年少版」2004 年1月 号)
『わゴム』(「ちいさなかがくのとも」2009 年1月号)。
最新作は、『あ』の姉妹作である『あ あ』
(「こどものとも年中向 き」 2017年12月号/以上、福音館書店)。
神奈川県在住。http://www.akanet.net

「その物であるがゆえの在り方」

『あ あ』は2017年11月に「こどものとも年中向き12月号(福音館書店)」から発売されます
『あ あ』は2004年12月に出版された『あ』の流れにある、
「針金の人」が出てくる絵本です

「針金の人」には名前はありません
便宜上、針金でできた人なのでそう書いていますが
針金の人は「『存在』の象徴」であり、キャラクター性とは対局に在ります
「そこに在ること」「何かに出会い、それゆえの振舞い」それを描くための「なんでもないものの象徴」です
ゆえに顔も無く、最小限な要素で成り立ち、でも「そこに居る」ように感じられる
何者でもない、だから何者にもなれる、そういう存在です

『あ』における針金の人は、さまざまな「物」と出会い関わることで、
それらの「物」が「その物であるがゆえの在り方」を浮かび上がらせていました

わたしはいつも、物とじっと向き合い、その物の発する声をうかがう、ということをします
(それは自分を宙に浮かぶ1点とすると、全方向からうったえかけてくる可能性へと感覚を開く状態)
すると「その物が何者か」という以前の、「その物であるがゆえの在り方」へと焦点が導かれるのです
言葉になる以前の「そのものの物理的な資質」とも言えるかもしれません

そしてその向こうには「その『物』をつくった、必要だった、人間」という生命の
脈々と続いてきた永い“とき”を感じられ、どこか尊い気持ちにもなり、
また、人間がいじらしくも感じられてくるのです

自分にとっては当たり前のその感覚を、このように作に託し、世へと放つのは、
わたしなりの世への“アイロニックな問い”または“わくわくする価値観への旅の誘い”です

わたしの作は常にその要素を湛えて(たたえて)います

今回の新作『あ あ』では
針金の人が2人になったという表層の変化以上に
登場するモチーフの在り方の構造がまったく違うものとなっています

『あ』では針金の人が「物と読者のあいだの媒介者」でしたが
『あ あ』では「物」が「針金の人と針金の人の出会い」の媒介者となっています

ふたりの針金の人の出会いのためへ、さまざまな「物」たちが
「その物であるがゆえの在り方」を差し出しているようにも思えます

「四角が四角であるがゆえの」「丸が丸であるがゆえの」「伸び縮みするがゆえの」
「水が、風が、光が、そうであるがゆえの」
「なんでもないがゆえの」

そんなけなげに存在している物たちにかこまれ、生きている
こんなに豊かな、なんでもない「今」よ
ありがとう

大槻あかね 2017年10月24日

・大槻あかね展 at Cafe SEE MORE GLASS

絵本『あ あ』発売記念展覧会
「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」

2017年12月21日〜24日
12:00〜18:00(最終日は~17:00)
定休日/土曜日

11月の「ギャラリー飛ぶ魚」での展示作
絵本『あ あ』の中の針金の人と物を
シーモアグラスのささやかな空間ならではの
展示にアレンジしてお届けいたします

▶ Cafe SEE MORE GLASS


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最寄り駅:東京メトロ 明治神宮前 7番出口より徒歩3分
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・書店さまで使っていただけるようにオリジナルPOPをつくりました
 ご利用いただけたらさいわいです

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・くまざわ書店 昭島店さま

 

美術系のコーナーに置いていただいております
https://www.kumabook.net

・お使い頂いた際には、
 ぜひ写真と共にご一報ください
 こちらで紹介させていただきます

すけのすけ*来年度の「こどものとも年少版2019年1月号」(2018年12月発売)に
 新作『すきとおりすけのすけ』が出版されることになりました