12月某日
毎年、お互いの誕生日の頃に会う大学の友人がアトリエに来た
しばし近況を話したり景色を眺めたりしてワインとチーズをつまむ
BUMP OF CHICKENのライブDVDを流していて、「ここを観て」と
いつ観てもこころにせまる演奏場面や藤くんの語る場面をいくつか映した

ふと見ると友達は号泣していた
「藤くんはしあわせそうだよ」
「ものすごく聴いてる人を信じているよ」
「前は『ちゃんと聴け』って怒ってたのに、
あのままだったら30まで生きていられなそうだったのに」
「『ありがとう』がほんとうにありがとうって感じの声だよ」
「藤くんが今しあわせそうで、ほんとうによかったよ」
「ああもうキャパオーバーだいっぱいすぎるよ」と
以前の姿を見てきたからこその今の姿に心打たれうれしくて友達は泣いていた

わたしもそれを見て泣いた
自分がいつも思っているように友達も思っていることがうれしかった
藤くんに知らせたいなと思った

 

 
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トクン トクン と 心臓が脈打ちながら 早朝の電車は走ってゆく
朝になって部屋に陽が入ると ほんとにありがとうこれまでありがとう という気持ちになる 残りの日々この恵みに感謝して 少しでも美しい 世界との記念写真を残してゆく

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もうにどともどらない

世界との記念撮影

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部屋の中をほんのりいい匂いにし続けている百合と桜
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おひさま、

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誰かがほんとに死ぬのも悲しいけど その人が自分の中では死んでしまったら 悲しい 悲しいことだな