a day

『あ』の制作工程では真知子さんとテレパシー的なことがいくつもあり 特に最後の最後にタイトルを決める時、私がしばらくじっと研ぎ澄まし数十分後に 「『あ』です」と言ったら真知子さんは「そうです」とおっしゃいました 静かな興奮と確信に満ちたその瞬間でした
その後何冊もの絵本制作を経験し 真知子さんがその時いかに「よいものをつくるためには編集者として会社に無理を通してでも軽やかに融通を効かす」ということを私に悟られぬようにしてくださっていたことがわかりました 他にないような すてきなかたです

写真は友達が母の葬儀へ送ってくれたお花 毎日せっせと水切りし 1ヶ月半経っても元気

お坊さんの読み上げるお経が「洗剤ない、洗剤ない〜 あ〜、やだ〜」と空耳アワー的に聴こえて笑ってしまった 住職はハードロックバンドをやっているそう(たしかアイアンメイデンのコピーバンドだったような)

母の死後、初めて泣く、
体調を崩すよりもっと前から、
母の死ははじまっていたのだと
私の買い物歴が語っている だから
買い物して、実家へ向かって必死で走っている
(急ぐことなんてないのになぜか必死で)
自分の姿をありありと思い出したから
ものすごくひとりで でもそういう、
誰にも頼れないようなひとりには慣れているから
いつもどおりの孤独の中をひたすら走って重い袋を抱えて
しかし 泣く、かと思ったところで涙はすっと引いた
私は怒っているのだ
誰かに、とかではない
世の中を成す、不条理に
だからひとつぶも泣かないでいる
やることがある
泣いている暇はない
私は私がたのしみでしかたがない