matryoshkaについて
お手紙の抜粋
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ずっと、何年も前から制作、準備し続けていた作品の、一部を公開し始めました。
本体を作ったのは2007年ですが、自分の中の「ある1人の人にしか見せたくない」という気持ちに気付いてから、
世にお披露目することができずにいました。そしてある連載に掲載した時には多くの人に見られた事にものすごく落ち込んで、
もうお披露目すまいと思いながらも、どうしたらその人にお届けすることはできるのかとも思い、葛藤をいだいていました。
そして一昨年に撮影し直し、去年に言葉を添え、そしてお披露目できる気持ちになり、この動画を作成し、公開しました
本体を作っていた時のことは今でも思い出せます。例えば目を描く、ちょっとした表情、ニュアンス、ディテール、
それを何回も何回も描き、消し、描き、の繰り返しで、寝る間も惜しんで作業をして1ヶ月以上、誰にも会わずに、
そのめくるめく作業の方がエキサイティングすぎて、生きることそのもののようだと気づき、過ごしていました。
そして「ああ、これはある音楽を聴いて何か伝えたかったけれどまるで言葉にならなかったあれがここにある」と、
次々訪れる絵の具の表情に、気づかされ、聴きながら、泣きながら、描いていました。
もう今は何に気付いていたのか思い出せませんが、とても眩しい瞬間の連続でした。
自分じゃない何かに動かされていいるようなその制作期間でした。
ありがとうも言葉にならない何もかも、届きますように。
去年に新しく添えた言葉たちは、どうやって出てきたのか自分にもわかりません。
どこかから降りてきた、ような 私ではない何かから書かせられた言葉たちです。
本体をつくっていた時に感じていた事とも違うもののように思います。
でもこの言葉たちのおかげで、世に放つ気持ちになれた気がします。
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